香港=中国ってイメージが強い人は多いと思うけど、実は香港は過去、150年ほどイギリスの統治下にありました。
なので香港の街内や文化にはイギリスの雰囲気がたくさん残っているんですよね!
今回はそんな香港とイギリスの関係と、今もなお香港に残り続けるイギリス文化について説明していこうと思います!
香港はイギリス領だった
香港がなぜ過去にイギリス領だったのかというと、それは「アヘン戦争」がきっかけ。
時代は1699年。
この頃、中国とイギリスとの貿易の中で次第に仲が拗れていってしまうのです。
イギリスはアフタヌーンティーの文化が昔から強くて、最初は中国からたくさんの茶葉を輸入していました。
でも中国はイギリスから買うものがあまりなくて、イギリスからしたら赤字の貿易だったんですよね。
アヘン戦争
なのでイギリスは中国に「アヘン」を輸入させることにします。
聞いたことがある人も多いと思うけど、これは中毒性のある麻薬で、結果、これにハマって麻薬中毒者になる中国人が大量にいたんです。
それを見た中国政府はイギリスに「アヘンはもういらない!」と輸入を禁止します。
しかしイギリスはそれでもこっそりアヘンを密輸したりしていて、怒った中国政府はそのアヘンを没収してぜーんぶ焼き払ってしまったのです。
そしてイギリスはブチギレ。
1840年、アヘン戦争の勃発となりました。
一国二制度の約束と中国返還
この流れを見ると麻薬を拒否する中国は正しく、無理にアヘンを輸入させようとするイギリスが悪に聞こえるけど、アヘン戦争では残念ながら中国が敗北してしまいます。
そして1842年、香港はイギリス領になったのです。
現在は香港は中国に返還され(1997年)、一国二制度の約束と共に「中華人民共和国香港特別行政区」という名前になっていますが、今でも根強くイギリス文化が残っている場所でもあるんですよね!
香港に残るイギリス文化
私が初めて香港に来た時に驚いたのは、そうしたイギリス文化と中国文化とのミックスされた独特な雰囲気。
街を歩いているとイギリスらしい建物と中国らしいネオン街が混在していてすごく面白いんです!
香港ではっきりわかるイギリス文化の名残というと、まず、道路の名前。
香港は小さい通りでも大きい通りでもすべての通りに名前がついていて看板が掲げられているのですが、その名前を見るとイギリスらしい名前がたくさん見受けられます!
他にもエレベーターで「1階」を指すところが「G」となっていて、これもイギリスと一緒。
「グランドフロア」ってことです!
香港の至る所を走っている2階建てのバス、トラム(ディンディン)もイギリス起源だし、街中に見受けられるコロニアル建築やコンセントの形状、アフタヌーンティーの文化などもイギリスの植民地だった頃の名残!
中国に返還された今でも香港市民はイギリスが大好きですし、イギリス領に帰りたいという声も実はすごく大きいんです。
イギリス領に戻りたいという願い
最近では香港では反政府デモが盛んになっていますが、あるサイトがウェブアンケートを取ったところ、投票した9割以上の香港人が「イギリス領に戻りたい」と答えたことがわかっています。
アヘン戦争というイギリスの理不尽な行動から起きた戦争ですが、これによって結果、香港人はイギリスが大好きになってしまったようですね!
現在では中国返還時の約束「一国二制度」が守られておらず、香港人は中国に自由を奪われ苦しんでいます。
選挙すらもできず、言論の自由を奪われ、イギリス領になっていた頃の方が幸せだったと嘆く人も多いんです。
日本も力になりたい
最近ではイギリス大使館の前でデモが行われて助けを求める声も多く、イギリス政府も「香港人にイギリス国籍を与えられるように」と考えていることを表明しています。
イギリス国籍が取れれば中国は好き勝手に外国人に圧力を与えられないし、「一国二制度」の約束で中国に返したのに中国がそれを守っていない以上、イギリスだってもっと強く出ることができるはずです。
今や香港市民の力だけでは中国には負けてしまうので、日本、並びに他国の力を貸してあげられたら嬉しいなと私は思っています。
香港の歴史や現在の状況を見て「他の国の問題」と考えてしまうのは日本人の悪いクセ。
香港は中国と違ってかなり親日ですし、このまま香港が中国に飲まれてしまったら、次は日本がターゲットになっているということを自覚した方がいいと思うんです。
このままでは日本が狙われ始めた時、きっと他国は誰も手を差し伸べてはくれませんよ。
香港に根強く残るイギリス文化 まとめ
香港に根強く残るイギリス文化には、そんな香港人の歴史や思いが込められているのだと思うと、より一層私は香港の街並みに魅力を感じてしまいます。
イギリスの文化を残しつつ、今を精一杯に生きる香港人。
今後は一体どんな歴史を重ねていくのでしょうか。
それがきっと幸せで、笑顔に包まれていることを願いたいですね。